「太陽光発電もつけたらって施工業者にすすめられているんだけど、どう想う」
ついに念願の戸建てマイホームを建てることになった友人のA君。
次から次へと魅力的なオプションを提案され、うれしくも困っている様子。
「A君って環境推進派だったっけ?」
エコバッグですら持ち歩いていないA君、とても環境問題を気にしているとは思えない。
「理由はもちろん電気買い取りで儲かるからよ!」
この記事ではA君のために理系ライター・シゲが調べた「太陽光発電はつけるべきか」についての最新情報を紹介します。
本当は環境よりもオトクの方に興味がある太陽光発電を検討中のあなたにオススメです。
太陽光発電つける判断は10年で元取れるか
「太陽光発電をつけるべきか?」
あなたの判断基準が「オトク」なら、アドバイスは「ちょっと待って!」です。
太陽光発電の買取保証期間は10年間、それ以降は電力会社しだいで今のところは買い取ってくれる保証がありません。
なので、太陽光発電の取り付けに必要な費用(機器代+工事費+運転維持費)を10年より短い期間で稼ぐ必要があります。
元さえとってしまえば、それ以降はうれしい「儲け」。
でも現状は元を取るのに10年くらいはかかります。
さらに気になるのが毎年のように下がり続けている買取価格。
引用元│経済産業省 令和3年度以降の調達価格等に関する意見(案)
買取価格が下がっているのは世界的な流れなんですね。
太陽光発電を普及させようとして無理していたのかしら?
ちなみに2021年度の買取価格(住宅用)は、19円/kWh。
日本の買取価格は他国と比較しまだ高い方ですが、下落傾向は続きそうですね。
お買い物の値下げは大歓迎だけど、買取価格の値下げは迷惑です。
なので、これから太陽光発電の取り付けを考えているあなたへのアドバイスは「ちょっと待って!」です。
初期費用はいつになったら元取れる?
それでは実際に元を取るまでに必要な期間をシミュレーションしてみましょう。
(データは「経済産業省 令和3年度以降の調達価格等に関する意見(案)」から引用)
太陽光発電の費用、維持費も必要だよ!
太陽光発電を取り付けるために必要な初期費用は、「パネル代+パワコン代+架台代+工事費」。
経産省データによると2021年度の価格は、27.5万円/kW。
一般家庭の平均積載量「4.5kW」を採用すると、
約123万円が工事費込みの取り付けに必要な費用です。
ここで忘れがちなのが「運転維持費」。
えっ、太陽光発電って取り付けさえすれば、あとは費用いらないんじゃないの?
残念ながら取り付けた後の費用はゼロではありません。
一般社団法人 太陽光発電協会によると、「運転維持費」として次の経費が必要とのこと。
- 発電量維持や安全性確保の観点から3~4年ごとの定期点検
- 20年に一度のパワコン交換
経産省データによると2021年度の運転維持費は「3,490円/kW/年」。
一般家庭の平均積載量「4.5kW」で10年間にかかる費用は、
です。
よって、太陽光発電の取り付けで必要になる費用の合計は、
=123.75万円+15.71万円=139.46万円
になります。
なので、売電による10年間のオトク金額が約140万円以上でないと経済的には「損した!」ということです。
どんだけ節約できる?何年で元とれる?
一般家庭用の太陽光発電4.5kWを取り付けると電気代はどれだけオトクになるのでしょうか。
LIXIL太陽光発電システム導入シミレーションにて、
・大阪市で南向きに取り付け
・売電価格:19円/kW
の条件で計算してみました。
https://sv2.lixil.co.jp/simulation/#0
と言うことは元を取るのに何年かかるのでしょうか?
=139.5万円÷10.2万円=13.7年
え〜、10年で元取れないんですね。
これが「オトク」を期待して太陽光発電を検討していたA君へ「ちょっと待って!」を伝えた理由。
地球環境を守るため個人でもCO2削減に貢献したいと強い志があれば別ですが、A君のように「オトク」目当ての太陽光発電の取り付けは慎重に判断した方が良いです。
まとめ
この記事では、念願の戸建てマイホームを検討中のA君のために、太陽光発電をつけるための初期費用は何年で元を取れるかを検討した結果を紹介しました。
太陽光発電の機器費用は年々下がっているとは言え、100万円を超える大出費。
マイホームの金額 数千万円と比較すると小さい金額に見えて安いと勘違いしがちですが、ここは冷静に判断しましょう。
A君もそうでしたが、太陽光発電を取り付け済の友人も理由は「オトク」。
たとえ損をしても地球環境のために貢献したいという志の高い方は止めませんが、「オトク」目的であれば取り付けは慎重にした方が良いです。
あなたがお住まいの自治体で補助金制度があれば元を取れるタイミングが早まるかもしれません。
業者情報を鵜呑みにするのではなく、自分自身で複数の情報を集め比較検討することが大切ですね。
高額商品の決定はじっくり検討してからでも遅くはないです。
あなたのハッピーライフの参考になれば嬉しいです。
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