【井上円了さん】どんな人│哲学から妖怪学そして東洋大学創設へ

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哲学者の井上円了さん、東洋大学の創設者であるとともに、妖怪博士とも呼ばれていた人。

哲学と妖怪学、一瞬なんのつながりもないように思えるこの関係。

単に井上さんの趣味なのでは?と思いきや妖怪学の実力はかなり本格的。

著書「妖怪学講義」は明治天皇に奉呈されるほど評価が高く、井上さんの存在は漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の著者・水木しげるさんの「神秘家列伝」に紹介されるほど妖怪学者として有名なのです。

なぜ哲学者の井上さんが妖怪学を追い求めたのか、さらにはなぜ大学創設を思い立ったのか、井上円了さんには不思議な魅力がいっぱいで興味津々。

この記事では、井上円了さんとはどんな人なのか、哲学で何を目指していたのかについて紹介します。

この記事を読めば、あなたも哲学を通じて「ものの見方・考え方」を学びたくなることでしょう。

目次

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井上円了さんはどんな人│経歴から探る

引用元│東洋大学

哲学者であり妖怪学者でもある井上円了さん、一体どんな生い立ちなんでしょうか。

早速紹介しましょう。

1858年3月18日 越後長岡藩領・三島郡浦村(現在の新潟県長岡市)生まれ、自宅は慈光寺
1874年 長岡洋学校へ入学
1877年 東本願寺(京都市)の教師学校へ入学
1878年 東京大学予備門へ入学 → 東京大学文学部哲学科
1885年 東京大学を卒業
1887年 私立哲学館(現在の東洋大学)を設立
1888年 海外視察① 欧米(1年間)
1902年 海外視察② インド、欧米(8ヵ月)
1905年 哲学館大学学長・京北中学校校長を辞任
講演活動を開始(13年間で講演回数5,291回、全国の約6割の市町村を訪問)
1911年 海外視察③ オーストラリア、アメリカ大陸など(9ヵ月)
1918年 講演中に急死(61歳)

哲学への道はお寺に生まれたことが背景にありそうですね。
東大を卒業した2年後には学校設立、スゴイ行動力です。

同期のほとんどが国家公務員になる中で、文部省を断ってまで成し遂げた独立。

その根底にあった志は、
「余資なく優暇なき者のために教育の機会を開放する」

余資(よし)とは財産のこと、優暇(ゆうか)とは時間のこと。

財産や時間に余裕がない人々にも教育の機会を作ってあげたい、この志が哲学館の設立へとつながっていたのです。

「全ての人に学びの機会を提供したい」という志は、亡くなる直前まで続けていた講演活動にも現れています。

若い頃に抱いた志を人生をかけて貫き通す、井上円了さんの生き方に感動です。

そんな井上さんと妖怪学、全くつながらないんですけど?

妖怪を怖いと思うあなたの心、そこに答えがあるのです。

哲学実践①妖怪学で見方考え方を変える

「諸学の基礎は哲学にあり」
井上円了さんの教育理念であり名言です。

井上円了さんが大切にした「ものの見方・考え方」は次の2つ。

  • 知らないことは自ら実際に確かめる
  • あらゆる枠や規制、迷信にとらわれてはいけない

ところで、あなたはなぜ妖怪を信じ怖いと思うのですか。

先祖から語り継がれているっておばあさんから聞きました。
なので間違いないと思います。

あんな偶然が重なることなんて絶対にない。
きっと妖怪の仕業に違いないわ。

それって、あなた自身が本当かどうか確かめましたか。

何の疑問も持たずに迷信を信じ込んでいませんか。

井上さんが伝えたかった「ものの見方・考え方」は正にこれ。

著書「妖怪学講義」を通して、多くの妖怪が人の虚言が作り出していること、偶然に起こった出来事を妖怪のせいにしていること、を明らかにしたのです。

妖怪とは何?を論理的に解明することで、固定観念にとらわれることのない哲学的な「ものの見方・考え方」を多くの人に広めたい。

哲学者の井上さんが妖怪学に進んで理由、わかりましたね。

妖怪に関わらず、考えることを放棄し他人からの情報をそのまま信じていること、あなたにはありませんか。

哲学実践②世界を知り、みんなに伝える

井上さんは生涯3度の海外視察へ旅立っています、全て単独での旅行です。

引用元│東洋大学

1回目│東回り経路

エッフェル塔が建設された世界万国博覧会(パリ万博)も見学。

訪れた国│アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリア、イタリア、エジプト、イエメン

2回目│西回り経路(1回目とは反対の経路)

イギリスにおいて、「言論の自由」、「人格の尊厳」、「社会道徳」の必要性を実感する。

訪れた国│インド、イギリス、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、スイス、アメリカ、カナダ

3回目│南回り経路

北のノールカップ岬、南のホーン岬と南北2つの極地を訪れ、その間赤道を4回も横断する。

訪れた国│オーストラリア、イギリス、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、スイス、フランス、スペイン、ポルトガル、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、チリ、ペルー、メキシコ

視察旅行の目的は、世界を知りその知見を広く一般の人たちにもに知ってもらうこと。

特に3回目の体験は、著書『南半球五万哩』に記すとともに、全国講演のテーマにも加え、人々に世界で活躍することの大切さを伝えました。

哲学とは自ら考え実践すること、正にその実践者が井上さんだったのです。

哲学実践③誰でも学べるチャンスを作る

「諸学の基礎は哲学にあり」、自ら考える「ものの見方・考え方」を多くの人に伝えたい。

井上さんはそんな志から、学びの場である私立哲学館を創設し、自ら地方へ出向き5,291回もの講演活動を行いました。

それでも公演会場まで足を運べる人は限られます。日程が合わない、家をあけることができない人もいるはずです。

そんな人たちへも学ぶチャンスを与えたいと考えた井上さん、現在の通信教育へとつながる「講義録」の郵送による自宅学習システムを考案。

井上さんの志のおかげで、今では、地域差、男女差、年齢差に関係なく、誰もが平等に「自ら考える」チャンスを与えられています。

「諸学の基礎は哲学にあり」、あなたは自ら考え行動していますか。

まとめ

この記事では、東洋大学の創設者であるとともに妖怪博士とも呼ばれていた、哲学者・井上円了さんが伝えたかったことについて紹介しました。

井上さんが実現したかったことは次の2つ。

  • 全てに人に平等に学びの機会を提供すること
  • 哲学的なものの見方・考え方を身に付け自ら考えること

妖怪学は迷信や勝手な思い込みが作り上げていることを証明するための手段。

伝えたかったことは、さまざまなとらわれを解き放ち、自ら実際に確かめること。

「諸学の基礎は哲学にあり」なのです。

あなたも先入観や固定観念の影響で何も考えず信じ込んでいること、ありませんか。

あなたの未来の可能性を奪うものなら、井上さんの哲学的な「ものの見方・考え方」を実践し自ら確認してみましょう。

新たな可能性が開けますよ、絶対に。

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